2012/02/02

行動分析学から心理学の基礎概念を解釈する(その7):視野闘争

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定義:
 「実体鏡などにより、実験的に両眼の対応部にある程度異なった対象を同時に呈示すると、同時に二つの対象が知覚されることは少なく、両対象が片眼に交互に現われたり、部分的に重なりあって現われたりする」(『心理学辞典』(有斐閣), p. 379)。

行動分析学的解釈(前試案段階):
 我々の「見る」行動は両眼に提示されたほぼ同じ刺激か、単眼に提示された刺激の刺激性制御を受けるように強化されてきた。系統発生的な選択の過程により、そもそも両眼に異なる刺激が提示されたときにそれを同時に別々に「見る」オペラントは両立しないようになっているのかもしれない。どのようにそうなっているかは神経生理学的な研究による検討対象となるだろう。あるいは個体発生的な選択の過程(すわなち学習)でそのようなオペラント(左右に異なる刺激が提示されたときにそれをまとめて一つの刺激として反応すること)が強化される機会がなかったということなのかもしれない。そのようなオペラントを強化できるかどうかを検討した実験があるのかどうか私は知らないのだが、両眼にそれぞれ呈示する刺激の内容によって知覚される時間に差があるという実験報告もあるようなので、もしかすると少なくとも時間配分についてはオペラント的制御を受ける可能性があるのではないかと予想する。
 魚類のように、両眼視野と独立した単眼視野の両方を使って生きている生物でも視野闘争は起こるのだろうか? ヒトでも視覚に比べれば左右で異なる刺激が同時に提示されることが多そうな聴覚ではどのようになるのかと、この分野はよく知らないだけに興味津々。

参考サイト: How to Create and Use Binocular Rivalry

本シリーズの過去記事一覧:

08:03 午前 行動分析学 |

2012/02/01

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その8) 「成果をあげることは習慣」

名言〔第23位〕:「成果をあげることは習慣」

解釈:
 「成果をあげるのは才能ではない」〔第25位〕にもあったように、組織で成果をあげるために必要な仕事はすべて学習可能な知識や技術--すなわち「行動」--である。成果をあげるために必要な仕事は複雑で、習得の程度に大きな個人差があるため「能力」とか「人格」とかに帰属されがちだが、必要な仕事を丁寧に課題分析してみれば、それを構成している一つひとつの行動は実は意外に単純であるということ。
 もちろん、そのような課題分析をすることはそれほど簡単ではないし(課題分析をする知識や技能をもった人的資源、時間などが必要になること)、学習は“可能”であっても、学習にかかる時間(コスト)が発生することなどを考慮すれば、成果があがらない理由を「能力」や「人格」などのヒューマンファクターとして片付けてしまいがちな事情も読み取れる。「できない奴だなぁ」とか「礼に欠ける」などのタクトは「そうですよね」などの共感的反応で強化されがちだし、“リストラ”という文脈では標的となった人を解雇したり、配置転換することが強化される。しかし、こうした個人攻撃の罠にまみれた解決策は短期的な成果しか生まないのは、実は誰の目にも明らかだったりもする。
 遠回りのように見えても、必要な行動を洗い出し、それが学習され、強化される行動的環境を整備することが、成果をあげる行動を“習慣化”させるベストプラクティスである。

本シリーズの過去記事一覧:

第24位:「リーダーとは何か

第25位:「成果をあげるのは才能ではない

第26位:「組織の存在意義

第27位:「組織は戦略に従う

第28位:「利益とは目的ではなく条件

第29位:「理論は現実に従う

第30位:「総体は部分の集合とは異なる

08:00 午前 パフォーマンスマネジメント |

2012/01/31

【資料】 いじめや校内暴力、不登校への組織的なアプローチ

[WorkItOut!!からの引越し案内]

 いじめや不登校、校内暴力、学級崩壊などの問題は、もはや、一人の教師やカウンセラーの努力だけで解決できるものではありません。学級や学年を越え、さらには保護者や地域も巻き込んだ、全体的な取り組みが必要とされています。
 この資料では、オレゴン大学を中心に結成されている、Center on Positive Behavioral Interventions & Supports(問題行動へのポジティブな介入と支援のためのセンター)の実践や研究をご紹介し、学校が抱える問題を全体的に取り組むための方法を模索します。

 続きはこちらから。

10:10 午前 Work It Out! 行動分析学で問題解決 |

2012/01/30

魔法のプロジェクト:障がいを持つ子どものためのモバイル端末活用事例研究

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 昨年末から探しているのだが,知的障害や発達障害をもったお子さん向けの優れたiPadアプリになかなか出会わない。

 「ABA」をうたったMTS(見本合わせ課題)の学習プログラムもある。でも,作りが雑だったり,刺激が変更できなかったり,操作性が低かったりして,まだまだ使えない感じ。むしろ,このアプリのようにな(例:「にほんごーひらがな」),日本人が開発した日本語学習プログラムの方が完成度が高くて,遊びの中で学習するには使えそうなくらいだ。

 そうこうするうちに「魔法のプロジェクト」なるものがあることを知りました。東京大学先端科学技術研究センターとソフトバンクが共同で推進してきたプロジェクトで,さまざまな障害(身体,知的,発達....)を持った子どもを情報機器で支援する実践的な研究が進められ,成果がまとめられている(特別支援教育で活用できそうなアプリの一覧とか「障がいのある子どもたちのための携帯電話を利用した学習支援マニュアル」とか)。

 この取組みは「魔法のじゅうたんプロジェクト」として来年度以降も継続され,現在,研究協力校を募集しているとのことなので(締切は2/3),興味のある先生方,学校は検討されてみてはいかがでしょうか。

11:49 午前 特別支援教育 |

2012/01/25

旅は修行だ(その9):ネットの口コミはあてにならない

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(朝なのに夕方みたいなマドリードの朝)

 マドリードで泊まったホテル(レヘンテ, Regente)は酷かった。ロケーションが抜群の割に低価格なので、もしやと案じていたのだが、悪い予感が的中した。

 まず、なんとエレベータが工事中で、重いスーツケースを階段で担ぎ上げさせられる。ベルボーイがいるわけではないので自力。しかも、このエレベータ工事、夜を徹して行われていて、客室までドリルの音が鳴り響く。早朝5時くらいに怒号が飛び交うのが聞こえていたのは、我慢しかねた客が文句を言っていたのに違いない(それでも次の日も、相も変わらず工事は続いていたけれど)。二日めにはロビーの自動ドアが開かなくなっていて、もうそのときには笑うしかなかったな。

 最近「食べログ」のやらせ問題が発覚したが、ネットの口コミ情報は扱いが難しい。このホテルの口コミも事前に読んではいたのだが、口コミというものには必ずと言っていいほど、ポジとネガの両方があり、どちらを信じるべきか判断できない。やらせとは限らないが、「褒めるところも見つけて書いておこう」と余計な気を回す人もいるような気がする。このホテルのスタッフの愛想の悪さは書込まれていて、これはその通りだった。スタッフの中にロシア人ふうの男性がいて、にこりともしないがすべきことはしてくれるというような書込みもあったが、これもその通りだった。でもそれは気持ちのいいサービスではなかった。後から再度読むと、なるほどそういうことかと理解できることもあるわけだが、それでは役に立たないよね。

 このホテルのセーフ(クローゼットの中にある金庫)にも修行させてもらった。暗証番号をセットしようとキーを押すが、ぴくりともしない。液晶は真っ暗のまま。どこぞにスイッチでもあるのかとまさぐるが見つからない。5分くらい格闘した後、きっと故障に違いないとフロントに降りて行き、ロシア人ふう支配人(ということにしておく)に半分クレームのように質問すると、何やら木の棒のようなもの(長さ5cm、5mm径くらい)と紙切れを差し出してくる。そして一言「deposite(スペイン語風に)」。どうやら、セーフのどこかにその木の棒を差し込むと使えるようになり、木の棒のデポジットを支払う必要があるらしい。なんて面倒なことをさせるのか!なんて憤慨する暇もなく、「へ〜 なるほど。勉強になりました。ありがとう」なんて顔をしてしまう。

 このホテルでもネットは使えたが、やはり遅い。街の広告から推測するに、主流はいまだにADSLのようである。無線LANのアクセスポイントも少ないようだ。唯一、スタバでは客に無料でログインIDとパスワードを提供していたが、利用客は少ないらしく、リクエストすると店員さんたちがてんやわんやしてました。

 マドリードでは山岳ガイドを雇って郊外の山(Sierra de Guadarrama)をハイクする予定だったが、天候不順のため(雪、雨)中止にせざるをえないという連絡があった。これで今回の旅の山登りはすべて中止。スーツケースの中身の半分を占める山岳装備はすべて無駄になった。重い荷物を地球の裏側までただただ運んで持ち帰るだけ。まさに修行。

 せっかくなので、山岳ガイドのGabrielに相談し、マドリード市内のインドアクライミングジム(King Kong Climbing Gym)に連れて行ってもらうことにした。行き帰りの車中やクライミング中に、スペインのこと、山のこと、EUの経済危機のこと、お酒のことなど、四方山話がはずむ。Gabrielのお姉さんは大学で行動療法を教えているそうな。奇遇ですね。

 明日はNYから飛んでくるJanetと合流して、国際行動分析学会が開催されるグラダナまで列車の旅となる。修行の一人旅はここまでなり。

11:59 午前 雑記 |

2012/01/13

My エンディングノート始めました。

 昨年、父を亡くしました。そのとき学んだ教訓が「残されたものはたいへん」でした。

 両親とも高齢なため、実はその前から今流行の“エンディングノート”を色々調べ、須斎美智子氏の「もしもノート」がシンプルで書きやすそうだったので、両親それぞれに送り、少しずつ書き進めるようにお願いしておいたのですが、結局、もしものときには何も書かれておらず、年金、保険、貯金、友人関係など、ほとんどの情報がまとまっていないどころか、どこにあるか、あるかないかさえもわからず、ほんとうに大変でした。書類の発掘、関連機関や会社への連絡と調整などなどに、たぶん100時間以上かかったと思います。

 そこでこの年末年始に自分版の「もしもノート」をつけ始めました。そうすると、自分のことながら、たとえば保険の管理が曖昧だったり(受取人が亡くなった父のままになっていたり、変更しようとしたら登録時の印鑑が見つからなかったり、解約したと思っていた保険にまだ加入していたり)、預金の情報があちこちばらばらになっていたり、日経新聞の記事(「ためられる家計(下) 資産・負債、年1回総点検」 2011/12/20,夕刊)を参考に年間収支を計算してみたら、あまりにも無駄遣いが多いことが発覚したり(その大半はAmazonや楽天で本や電子機器の購入)、とにかく改善の余地がたくさんあることがわかりました。

 葬式のこと(しないでね)、お墓のこと(いりません)などは、わりと簡単に決めて書けたけど、死んだことを誰に知らせるかについてはけっこう考えてしまいます。あと、死んだ後の携帯やPCの中身をどうするかとかも。

 自分が死ぬこと、死んだ後のことを考えるのは、それほど楽しくもないし、こうやって書類にまとめていくのは時間や手間がかかるので、「もしもノート」をつける行動はおそらく自然には強化されず、むしろ弱化される随伴性に取り囲まれていそうです。それにそうそう簡単には死なないだろうから(明日死んで残されたものに迷惑をかける確率は低いから)、天災は忘れた頃にやってくる型の随伴性で先延ばしが生じます。つまり、なんかの間接効果的随伴性を組まないと“もしも”のときに間に合わないかもってことです。

 ブログにこうやって書くことで、そうした随伴性を設定してみます。気がついたら「もしもノート、書き進みました?」と声をかけて下さい。

 

もしもノート もしもノート
須斎 美智子

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11:46 午前 雑記 |

2012/01/11

【資料】 特別支援教育と応用行動分析学(動画ライブラリ)

[WorkItOut!!からの引越し案内]

徳島県の特別支援学校(当時の養護学校)で応用行動分析学に基づいた事例研究や研修を始めた頃に,今では考えられないくらい豪華な講師陣に講演していただいたときの記録です。ビデオの視聴にはAppleのQuickTimePlayerが必要です(最近ではiTunesに組み込まれてインストールされるようです)。


『自閉症者の就労支援』 ---- 梅永雄二 先生

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『知的障害者のための就労支援』 ---- 志賀利一 先生

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『障害児教育実践を楽しむための応用行動分析学的アプローチ』----  奥田健次 先生

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『学級経営に生かす応用行動分析学』 ---- 加藤哲文 先生

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『コミュニケーションの指導と自立活動・余暇活動の支援』 ---- 井上雅彦 先生

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『発達障害児者の“ことば”にならない“ことば”を理解して支援する』----  平澤紀子 先生

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『自閉症児にも分かる知的障害教育』 ---- 藤原義博 先生

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『「脱力系」応用行動分析と特別支援教育〜大学と学生を地域資源として今こそ『楽しい教育実践』を〜』 ---- 望月 昭 先生

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03:24 午後 Work It Out! 行動分析学で問題解決, 特別支援教育, 行動分析学 |

2012/01/05

旅は修行だ(その8):そして事件は起きた

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 そしてとうとう事件が起きた。

 それはバルセロナ空港行きの電車を待つ、サンツ駅9・10番ホーム。旅行者で混雑するプラットホームで俺はスティーブ・ジョブズの伝記『スティーブ・ジョブズII』を読んでいた。ジョブズへの追悼作品とも言われるiPhone4s(fo(u)r Steve )で。

 この伝記の最後は、自らの死を受け入れたジョブズ自身が(それまでには七転八倒あったが)、最期の言葉を語る形でまとめられている。

 「いつまでも続く会社を作る」、「すごい製品をつくる(ことで利益は後からついてくる)」、「理系と文系の交差点」、「本当のことを包みかくさないのが僕の仕事」、「僕がやらなきゃ誰もやらない」、「そう思って、僕は歩いてきた」…

 この本(前編・後編)には、これまで知られていなかったジョブズの姿があからさまに、それこそ包み隠すことなく記されている。まるで破綻者のような彼のパーソナリティ、感情の不安定さ、世界は自分を中心に回っていると信じて疑わないような独善性には、正直驚かされた。しかし、そうした恐ろしくネガティブな面を知ってもなお、ジョブズが創り上げたもの--今のMacやiPhoneやiPadといったイノベーションを生みだし続けるAppleという会社--、そしてジョブズという人間その人に尊敬と感動を覚え、最後のページをフリックしたときには目頭と胸のあたりが熱くなっていた。

 iPhoneをナップザックのサイドポケットに突っ込み、ホームに入ってきた電車に乗り込んだ。車内は混雑していたが、奥に分け入って座ることができた。ザックの右サイドポケットに何となく手をやる。あれ、iPhoneがない??  胸騒ぎがして、左サイドポケットをまさぐるが、そこにもない。ザックの中も念入りに、繰り返して探すが、ない。座席の下、そしてたった今歩いてきた電車の床を見渡すが、ない。もう一度、ザックの中を見ても、ない。窓越しにさっきまで立っていたホーム付近を見ても、ない。

 やられた。

 出発を知らせるベルが鳴り、声を上げる間もなく、ドアが閉まって、電車が動き出す。サンツ駅のホームは見る見るうちに遠ざかる。もう後戻りはできない。

 2011年11月21日午前10時10分の前後10分間くらい。俺のiPhone4s(64GB、ホワイト)がすられてしまった瞬間だった。

 話には聞いていたのだ。飲み屋で鞄ごとすられたとか、おばさんが物を落としたのを拾ってあげたときにその相棒にすられたとか、何か強烈な匂いのする物体をかけられて戸惑っているうちにすられたとか。日本人観光客は特にカモにされているから注意すべしと。

 なんたる不覚だろう。あの短い時間に、背中に背負ったザックのサイドポケットとはいえ、ゴムで締まっている口から気配すらなく盗んでいくとは想像だにしていなかった。そしてなにより、自分がそんな間抜けな日本人観光客にみられてしまったこと、実際に間抜けだったことが恥ずかしい。いや、恥ずかしすぎる。

 怒りと羞恥心とで、俺の顔は赤面状態だった(と思う)。

 それでも凹んでいたのはものの10分くらい。空港に着くまでには対策を考え、メモをした。

 まずはバルセロナ空港で警察に行く。空港には分署があるはずだ。
事情聴取してもらいやすいように、そしてコトの詳細を忘れないように(記憶が変容しないように)、被害時の状況を書いておく。

  • Softbankに電話して、回線を止めてもらう。
  • Appleの「iPhone」を探すサービスを使い、遠隔ロックする。
  • iPhoneからすぐに使えるサービス(Evernoteなど)のパスワードを変更する。
  • これらはすべてMacBookAirを空港のWiFiにつなげばできるはず、などなど。

 警察以外は順調に進んだ。こういうときITはほんとうに役に立つ(後日、このことをまたもや身を以て知ることになる)。

 警察は… 分署は空港に確かにあった。でも列ができていて、飛行機に間に合いそうになかったので諦めた。スペイン語がわからないので何とも言えないのだが、なんとなくほとんどの人がスリや置き引きの被害者のようだった。話していた言葉からして東ヨーロッパっぽかった。そして、飛行機が到着してから、マドリッド空港の分署に行くことにした。

 ところがマドリッド空港の警察官は英語ができないということで、警察の電話番号をくれた。どうやらこうした軽犯罪用の電話窓口のようで、外国人旅行者にも対応している。自分の場合、日本語ができるスペイン人女性(だと思う)が丁寧に対応してくれた。電話で事件の状況を話す。彼女はこれを聞取りながらスペイン語で調書にして、データベースに入力する。すると、お近くの警察署で“被害届”(police report)を受け取れるという仕組みだ。この一連の作業は日常的によくあることらしく、その女性も「保険に入ってますよね。保険の請求に必要になりますから、ポリースレポートをもらって下さい」と、警官というよりもまるで保険会社の社員ような話し振りである。元より犯人逮捕とか、被害にあったiPhoneを取り戻そうとは、これっぽちも考えていないのはその対応から明らかだった。

 マドリッドのホテルの近くにある警察署(派出所?)で被害届を受け取り(これにも紆余曲折あったが省略)、クレジットカード会社に電話して保険金請求の手続きを確認し、とりあえずこれで一件落着。かと思いきや、iPhoneの再購入までにさらなる壁が出現する。この話はまた次回に。

教訓:『ここは日本ではない。大事なものは鞄にしまおう』

05:00 午後 雑記 |

2012/01/04

【お知らせ】 ADDS Winter Seminar 〜自閉症支援者ネットワークをつくる〜

 山本淳一先生(慶應義塾大学)の研究室に在籍する院生さんたちが中心となって立ち上げた、発達障害児を支援するADDS(Advanced Developmental Disorders Support, NPO法人申請中)では、定期的にセミナーを開催しているそうです。発達支援に興味のある人、大学院生による起業に興味のある人はぜひ一度参加してみて下さい。以下、次回のセミナーの案内を転載します。

ADDS Winter Seminar vol.2 〜自閉症支援者ネットワークをつくる〜
「ライフステージに応じた支援の実際」
【日時】
 2012年1月9日(月祝)10:00〜16:50
【会場】
 国立オリンピック記念青少年総合センター
  センター棟4Fセミナーホール
 *小田急線参宮橋駅より徒歩7分
【プログラム】
 10:00〜「子どもの可能性を最大限に広げる、幼少期の支援」 講師:熊仁美(ADDS共同代表)
 11:30〜特別講演:「支援の輪をつくるために〜小学2年生自閉症児のママより〜」
 13:30〜「発達障がい児の学齢期における支援の実際」 講師:渡部匡隆(横浜国立大学教育人間科学部教授)
 15:00〜「発達障がいの強み・特性を活かして働こう」 講師:鈴木慶太(株式会社Kaien代表取締役)
【対象】
 ・発達障がいがあるお子さんの保護者の方
 ・保育・教育・福祉・医療関係者の方
 ・学生の方
 ・発達障がいの支援に関心をお持ちの方
【料金】
 一般2500円/ ADDS会員2000円/ 学生1500円(要学生証提示)
 託児サービス:お子様お一人1500円(※託児サービスは、受け入れ人数に限りがございますため、お早めにお申込みください)
【お申し込み】
 下記URLにて詳細をご確認のうえ、「お申し込みフォーム」よりお申し込み下さい。
 http://www.adds.gr.jp/?page_id=495

12:01 午後 特別支援教育 |

2011/12/31

iCloudに習うより慣れろ

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 この冬休みの宿題の一つが、全部で4台あるMacをLion(MacOS10.7)にアップデートして、iCloudを完全導入すること。iPhone、iPadとあわせて6台がクラウドを通して同期することになる(ちなみにLionからMacOSは基本的にネットワーク販売のみとなりDVD等では購入できない。これじゃ研究費では買えないじゃんとわめていたら、なんとそれ用にUSBメモリで販売されていた。でも超割高。ゆえに大学のMacをどうするかは未だ検討中)。

 まずは試しに自宅のiMacとMacBookAirにLionをインストールしてみた

 わ!

 iPhoneで撮影した写真が何もしなくてもMacBookAirのiPhotoで見られるようになる。TVCMみたいだ(ただし、iMacのiPhotoはバージョンが古いのでこの「フォトストリーム」という機能には未対応)。

 ところが....

 端末を一台同期させるたびにアドレス帳のデータが自動的に合併され、2倍3倍に膨らんでいく。重複データの自動チェックとかはしてくれないみたいだ。Macのソフト「アドレスブック」のメニューから「重複項目を検索」し、見つかった重複を「結合」させるのだが(参考)、不思議なことに、これ一度では終わらない。何回か繰り返すと「重複は見つかりませんでした」となるのだが、(あたりまえだけど)また一台同期させると同じことの繰り返しとなる。

 Safariのブックマークも同じ。このさいだからと1台のMacでブックマークを整理したのだが、iCloudで共有すると、たちまち古い端末からのデータで混在状態となる。その都度、いらない項目を手動で削除しないとならない。

 そうした作業を繰り返し、とりあえず、iPhone、iPad、iMac、MacBookAirは同期されるようになった。神様、このままクリーンな状態で保たれますよ〜に。

 ただし、同期のタイミングがわからなくて気持ちがわるい。手動のオプションがなくて、すべてお任せなのである。iMacで変更したデータが瞬時にiPhoneに出現することもあれば、しばらく待ってもなかなか更新されないことがある。

 どうやらクラウドというのは「どこに何を置いておく」というルールを決めてきっちり守るような仕組みではなく、「なんとなくどこかに何かがある(だから探せばきっとでてくる)」という仕組みではないのかとまで疑ってしまう。

 ルール支配の理屈よりも、使いながら随伴性形成的に慣れていくのがベストなのかも。

 

 そんな中、一つ朗報:

 mobile meからの移行のお知らせには明示されていなかったのであきらめていたのだが、iCloudではことえりの辞書も自動的に同期される。これは助かる。現在はアドレス帳のデータを便宜的に使ってしのいでいるiPhone/iPadの単語登録(参考)も、ぜひことえりの辞書と自動的に同期させて欲しいものだ。

 その他:

 MacBookAirではFinderに表示される「AirDrop」なるフォルダーがiMacでは見つからない。調べたら、この機能はハードウエアに依存することがわかった。旧機種でも無理矢理起動することもできるらしいがセキュリティ上の問題があるんだと。MacのOSはハードウエアには極力依存しないように作り込んでいると思っていたので、これはちょっと意外だった。

 ハードウエア依存と言えば、「そのうち対応機種が増えます」と言い続けている「AirPrint」。どうやら「そのうち」というのは「そのうちシステムが更新されてつながるプリンターが増えます」という意味ではなく、「これから発売されるプリンターにはこのシステムに対応するものが増えるはずです」という意味だったらしい。待ってて損した。と同時に、古いプリンターでもMacのプリンター共有機能を使って、iPhone/iPadからの印刷を可能にするソフトウエアを発見。その名も「AirPrintActivator」。Macが起動していないと使えないという難点はあるが、iPhoneで検索した地図やiPadで見ていた資料をそのまま印刷できるというのは実に便利。お勧めです。

 その他その2。

 この機会にFirefoxのブックマーク同期もXmarksから純正のFirefoxSyncに変更。Xmarksの Safari版が挙動不審で煩わしくなってきたのが理由。これでFirefoxとSafariのブックマーク同期はできなくなるが、Safariからの追加はEvernoteを介することで解決しようと思う。

 最後に蛇足。最近、下の図のような認証をするシステムが増えているが、自分は苦手。ほとんどテクスチャルできないし(文字列版)、エコーイック/聞取りできない(音声の数唱版)。俺、ロボットじゃないんですけど。

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 冬休みの宿題、一つ完了。

 皆さま、良いお年をお迎え下さい。

03:31 午後 情報技術 |